今日、アファンの森の鳥をチェックしつつ、一回りしてきましたのでその様子をお知らせします。とても天気がよく、気持ちが良かったひと時でした。
ウェールズのアファン森林公園では11月半ばからクリスマスまでの5、6週間、レンジャー達が切り出した木をXマスツリーとして販売します。木は保護ネットを被されて駐車場の臨時ショップに並ぶのですが、親子連れ、カップル、老夫婦達に買われてショップもやがて空になります。この売り上げはすべてアファン森林公園の運営費となります。初冬の雨風にも負けずに作業に励むレンジャー達のご苦労が、こうやって再びアファンの山に還って行くのです。
年末年始は近況を確かめ合うには良い機会ですね。私は仏教徒、Xマスは宗教的には意味が無いのですが、春を待つ喜びには共感しますし、キリスト教文化へ居住している事には感謝していますので、敬意を持ってこの西洋の行事を過ごすことにしています。
97年年末、アファンの山の麓ニースの町へニコルさんの叔母さまグエンさんを訪ねました。小柄で銀髪。当時70代後半でいらしたのですが、そこいらでチンタラグータラしているワカモンなど寄りつけないほどの頭脳明晰な方でした。訪問時は夕方だったので、キュウリ、ハムのサンドイッチをパッパッパッとこさえて、花柄のマグカップに濃いミルクティを入れてくださいました。英国では夕方のお腹がすく時間にいただく軽食をティと呼びます。薄切り白パンの典型的なティは、A・クリスティの小説で読んだことがありましたから、この時しみじみと英国暮らしを実感したものです。
あれから10年。グエンさんはご健在、今年もクリスマスカードが届きました。そして2つのアファンの森は今や姉妹です。変わらない事に安心してみたり、変化を果敢に受け入れてみたり、こうやって歳を重ねていくのだな、と思います。良いお年をお迎えください。
(な)
年の瀬、皆様いかがお過ごしでしょうか。
事務所も色々とばたついております。アファンの森は静かな雪景色。。。ほんの少しですが、今の様子をご紹介します。
11月初頭、所用で海辺の町スオンジーまで行きました。ポツンと待っていた3両編成の各駅停車に飛び乗って1時間ちょっとの旅。アナウンスもないまま発車する電車に、愛想がないなと心の中でつぶやいたりしながら、するすると動く右手を見れば、7万6千人収容を誇るラグビースタジアムの支柱が堂々と空に延びています。大きなものだねえ。3,4分もすると車窓は都市景観から田園風景に変わり、手前には羊の群れ、遠くには栗毛色の馬が2頭のんびりと草を食んでいます。
閉塞した街を抜け出した開放感でやれやれと背もたれに沈みます。のどかな車窓からは目が離せないのですが、駅毎に乗り込む人々の生きた地方の英語を黙って聴いているのも楽しいものです。次の駅では母音の長いカーディフ弁は消えます。30分してアファンの森が視界に入ってくる時分には、バリーと呼ばれる山間部の人々の、上下変動の大きいアクセントが飛び交います。アファン近郊で採炭に従事した人々独特の、胸の奥から歌うように話す英語です。子連れの若い母親達はバリー弁でファッション情報に夢中です。幼子のはしゃぎ声、たしなめる大人の声。おやつのビスケットの甘い臭い。長野駅からニコルさんの待つ黒姫や、故郷の港町呉線の道中で味わう「地方の快感」を思い出しました。
列車は赤毛や金髪、銀髪、黒髪の皆を乗せてひたすらガッタンガッタン、やがてピーと鳴って終点スオンジーの駅に入りました。明治時代、日本の鉄道は英国から技術導入されました。スオンジー駅はまるで新幹線導入以前の長野駅のようで、セピア色の日本をみたような気がしました。異国でのデジャヴにちょっとおセンチになりました。
(12/14)(な)